MitoFirStudio

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京大を訪れた話②吉田寮見学

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吉田寮は写真撮影不可なので吉田寮近辺の写真です。

 

 皆さんは吉田寮を知っているだろうか。それは京都大学にある築100年を越えるそれはそれは古くてレトロでノスタルジーたっぷりの学生寮である。吉田寮はもちろん学生たちが暮らす寮として機能しているのだが、一般人の見学も可能(無料)ということで吉田寮にお邪魔させていただいた。

 

写真がないので言葉で説明するが、先に述べておくと皆さんにもぜひ訪れてみてほしい。言葉や写真ではその雰囲気はとても伝えきれない(まぁ住人側からすれば、見学だけでは何も分からないと言いたい所であるだろうが)

 

まず入り口兼受付で目に入ったのが大量のカンパ箱。手作り感漂うカンパ箱にはお金を入れたくなってしまう(宿泊費の支払いもカンパ箱になっていた。宿泊も可能であるようだ)。

 

そして受付で名簿に名前を書き、パンフを持って、寮生の許可を得て、実際の居住スペースへ…

 

そこに広がっていたのは、21世紀ではなかった。夕焼け色の廊下、ひどくきしむ床、汚れのついたもろい窓ガラスから入る日光と心細い蛍光灯。延長コードが天井から垂れて、汚れのついたフライパンや埃かぶったポッド。個部屋の前に置かれたかかとの潰れた靴。

 

これを「汚い」「ボロい」と受け取る人もいるかもしれない。確かに普通に生活する分には不便なことも多いだろうし、台風や地震への懸念は常に付き物となるだろう。

 しかし、なぜだろう。すごく懐かしくて、美しい。自分の生まれたのは平成10年なのに、木造の4畳半など見たことのない世代なのに、この建物にすごくノスタルジーを感じる。

 脆いモノに美的感性が強く働くのは日本人特有の感性かもしれない。桜や花火も散ってしまうからこそ美しい。

 ここまで書いてきたがいくら書いても意味がない。結局、ネットで調べた情報だけで吉田寮を知ることはできない、ということを今回学べた。吉田寮は有名だから名前は知っているという人は多いとも思う。しかし、それは本質的には何も知ってはいない。SNSが普及した現在、写真や動画の価値が増してきている。Instagramのストーリーは旅行先の美しい景観や派手な人工物の写真や動画で溢れている。

吉田寮の写真撮影禁止、それは住人の学生のプライバシーを守ると同時に、現代人の美しいモノや珍しいモノを観察するときの在り方について、何か大切なメッセージを送っているのではないだろうか。